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YUKIPEDIA

小二で挫折、中二病を引きずり、高二で転落、現在第二の人生を歩む!

『並行』(33)―本当にバカなのは誰だ? 完結

四月の夜風は、露出の多過ぎる服装の私には肌寒い。 冬の厳しさはとうに過ぎ去ったけれども、私の中はいつでも寒いまま。 私は微かな震えを抑えながら路上に立ち、客を待っている。 大学を自分も辞めたのだ。 耐えられなかった。疎外と自分の無理に。 新学年…

『並行』(32)―本当にバカなのは誰だ?

端詰は保釈金を支払って、警察の拘留を振り払って戻って来た。流石私立大学の学長、それはかなりの高額になったらしい。新聞の一面もニュースもこぞって、そうはやし立てた。 とは言えども、端詰がゼミの女子学生の誰かー噂では、中村梓沙と言うことになって…

『並行』(31)―本当にバカなのは誰だ?

その次の日、私の電話の液晶画面に発信者の表示がこう浮かび上がった。 『H学院大学学生指導課』 私は論文の結果が哲学科長から来る、と聞いていた為、訳が解らなくなる。 何故学生指導課から電話が? そのことを怪訝に思いつつも、受信ボタンを押す。 「は…

『並行』(30)―本当にバカなのは誰だ?

突如辞職させられた端詰の緊急代打者として、学長を現在の理事長が務めることとなった。そいつは大学創始者の曾孫にあたる婆さんで、頑固で金遣いに厳しい、ひと言でいうとケチだと有名。しかも学が無いらしい。創始者一族だからと言うことで、H学院に特別優…

『並行』(29)―本当にバカなのは誰だ?

一月二十日が来た。 それぞれの学部の学生が学生課の前に列を成して並ぶ中、私は哲学科の人混みの中に別田の姿も中村の姿も、見つけられなかった。 設定された締め切りの十六時へと、あと半時間で時計の針が回ろうとしている。 既に私は、昼の十二時に論文を…

『並行』(28)―本当にバカなのは誰だ?

「他山さんは、あなた、上野さんのこと、本当は大嫌いなのよ?」 中村が勝ち誇ったような、卑下しているようにも見える目で私を捉えた。 「・・・はい?」 「他山さんはあなたを嫌っている。すっごくね。そういう事」 「他山って、他山恵?」 「決まってるじ…

『並行』(27)―本当にバカなのは誰だ?

射し込むブラインドからの光が小さくなった。それに弱く私達の陰が映し出される。端詰は、受け持っている学生が死に追いやられそうな局面に於いても、私と中村にはこう言い放った。 「論文は、一月二十日の十六時までに学生課へと提出すること。今回は上野さ…

『並行』(26)―本当にバカなのは誰だ?

私は自分の中で展開されている想念から現実に戻り、目の前に意識を戻した。 下北に殴られた他山は、無惨に転がって、強かに腹部を床へと打ち付けていた。 血液が他山の下半身から徐々に拡がっていく。 「え?あ、わ、」 下北と他山が全く同時に、全く同じリ…

『並行』(25)―本当にバカなのは誰だ?

「・・・別田さん、ちょっと顔色が悪いですよ」 私は、恐らく自分の予想している答が当たっているだろう、そう言った予感を持ちつつも、言った。 「・・・そうか。悪いか」 別田の顔は更に青く荒んだ。 他山の嘔吐は廊下を通じて教室へと響く。 「こういうこ…

『並行』(24)―本当にバカなのは誰だ?

端詰は口を開く、その辺りに落ちているクズを蔑む感じで。それに対し私は、そうです、自分はリアルにクズだけれども、何か?そう思いつつ、端詰に向かって小首を傾げた。 「上野さん、あなたの醜聞は私の耳にも当然入っています。しかも目の前でその発言です…

『並行』(23)―本当にバカなのは誰だ?

外部の死は、文学部哲学科三年生の女子学生、上野さつきに因るものだと言うことは、ゼミ生のみならず学内に拡散した。それはつまり、私が病的に嘘を吐いていると言う事実が広まっているのと同じことだ。 私は静かな話題となっているその大袈裟な雰囲気を、至…

『並行』(22)―本当にバカなのは誰だ?

外部の葬儀には出席した、ものの、詳細はよく憶えていない。 別田が男泣きしていた。中村はヒステリックに泣いていた。下北は静かに涙を流していた。他山はひたすら突っ立っていた。私は何も感じなかった。 「あなたは相当苦しむと思うがね」 別田のその一言…

『並行』(21)―本当にバカなのは誰だ?

連絡が中村から来たのは、ひとり、正月をアパートにて過ごしている最中だった。 もう誰も信じられないし私のことも分からない。とにかくひとり!ひとりになれるのならばそれでいい!そう言う思いを込め、特段いつもと変わりない、白米と味噌汁の食事を、力を…

『並行』(20)―本当にバカなのは誰だ?

自分が地獄に墜ちるのは容易いことだった。 元々から私の心はそこに居たのだ。 本心を殺しまくって上っ面でしか生きられない人生、そのどこが皆が憧れるような素敵で素晴らしい人生だと言うのだろうか。しかも、下北はじめゼミ生を自分の論文に巻き込もうと…

『並行』(19)―本当にバカなのは誰だ?

襖が左側に素早く滑り、眉を顰める別田と青ざめる下北の顔が現れた。 「・・・さつきさん、全部聞いていたんですか」 下北が呟く。 「だから言っただろ?上野はこう言う奴だ」 こうなったら私は聞き耳を立てていたことを、認めなければいけない。 私は言った…

『並行』(18)―本当にバカなのは誰だ?

こいつらの頭を今、思いっきり足でかっ飛ばしたらどんなに気持ちがいいだろう。そう思いながらも、手洗いに行こうと立ち上がった。 その夜、ふとした拍子に眠りから目が醒めたのだ。何かが私を呼んでいる気がした。隣には左から右へと他山と中村の順で、ふた…

『並行』(17)―本当にバカなのは誰だ?

バカじゃないんですか! 下北のそのことばは、中村の叫びよりも大きく私の心の中で反響した。そうか私はバカなのか?うるせえ女を好色のままに犯す存在にそんなこと言われる筋合いねえよ、その気持ちとは裏腹に、それは真実を言い当てている気がしてならなか…

『並行』(16)―本当にバカなのは誰だ?

バスは予定通りN山に到着して、予定通り合宿が開始された。 会場は泊まる雪宿の『扇の間』と名付けられた、襖で仕切られた二続きの和室。外部の授業、というか出張自習授業中はその襖を開け放しにし、畳へ直に座って長机に向かう。寝るときは二続きの部屋を…

『並行』(15)―本当にバカなのは誰だ?

テキトーに勉強して、テキトーに生活して、テキトーに過ごしていたら、冬期休暇がもうすぐそこだった。休暇が終われば後期試験が行われ、四年生は卒業論文を提出し、教授会と学生課に認可されれば卒業の資格を得られる。 あーさっさとゼミの四年生共いなくな…

『並行』(14)―本当にバカなのは誰だ?

中村の悲壮は落ちることを知らなかった。 アパレルへの就職活動を止めるとまで言い出したのだ。他山と別田が話し合う声が、ゼミの冬季合宿ミーティング前にこう聞こえてきた。 「私、もう嫌。哲学なんかやるんじゃなかった。やりたい職種と全然関係ないから…

『並行』(13)―本当にバカなのは誰だ?

中間発表会の直後から数日間、私は大学の講義を休んだ。その間、ひたすら寝て食べていた気がする。記憶があまりない。理由?なんだか訳分からんが、何もかもバカらしくなってきたから。 しかしゼミの皆は、ここでも勝手に別の解釈をしてきた。 私が中絶手術…

『並行』(12)―本当にバカなのは誰だ?(読者の皆様へご連絡:連載再開です!)

秋も深まり、私とゼミ生との溝も深まった頃、提出論文の中間発表会が開かれた。これは論文を要約したレポートを簡単に書いて、それを教授となった気分で分かり易く皆の前で論ずる、という会だった。そのレポートは、外部が採点するという。 私の選出した著書…

『並行』(11)―本当にバカなのは誰だ?

外部は私の手を思い切り引っ張ると、五百四号室の隣のトイレに入った。そこは男子専用で、仮にも私は女性だと言うのに、連れ込まれた。 「先生、なんでしょう、か?」 「上野さん。あなたが下北君と交際していることは耳に入っていますよ」 「ああ」 ちがい…

『並行』(10)―本当にバカなのは誰だ?

産婦人科に行った私は事情を詳しく説明せず、ただ「避妊しなかった」と告げ、経口ピルを処方するよう診察で医師に頼んだ。こういう患者―と言って良いのだろうか?―は多々居るらしく、医師は「またか」と言わんばかり。日常茶飯事を眺めている目にて、話す私…

『並行』 TALKING IN MY HEAD【実録!障害者的小説構造図】

私は統合失調症と発達障害を持っています。 そんな人間は、どんな小説の下書き、いや、設計図を実際に書いているのでしょうか? 私の知る限り、全世界初公開!! 書き殴り感、満載です。 元々私は字が四角く、「箱に入っている」様な感じと例えられていたも…

『並行』(9)―本当にバカなのは誰だ?

こんな言葉で表現したら、大変に着飾った行動になってしまうけれども。 哲学文庫での下北との『情事』と言って良いのだろう、それから解放されて、私は服を着て散らばった荷物をバッグに直し、髪も直し、なるべく何事も無かったような表情に見えると思う顔を…

『並行』 TALKING IN MY HEAD【破るぜ!七つの大罪】

今、好き好んで好ましく好評されながら好かれない?(ややこしい)の小説『並行』のこぼれ話をします。 作中にキルケゴールの『死に至る病』と言う本が出てきます。 私は大学時代、それを読みました。 だから作中に、この本の解説作者として、「大和由祈(ヤ…

『並行』(8)―本当にバカなのは誰だ?

言葉は悪いが、うひょ、と思った。 誰かを殺したい感満載だ。 この大和由祈は、キリスト教哲学を勉強していたらしいから、当然、キリスト教的精神を持っているのではないだろうか?それで殺す絶望死にたい、と来るか! そう思って私は俄然興味が沸いた。目次…

『並行』(7)―本当にバカなのは誰だ?

気付けば日差しは弱まり、風は体をすり抜け、空気は乾燥していた。 秋だ。 私と下北の関係の噂は規模も教室も狭いゼミ内で、今のところ表面化することはなかった。裏で「上野さんと下北君、付き合ってるらしいよ」と言われている雰囲気は察していたものの、…

『並行』(6)―本当にバカなのは誰だ?

バカだなこいつ、私はそう思いながら下北を右肩で支え、夜道を歩いた。 バーからの帰りには酔っ払った老人に客引きの女、スカウトの兄ちゃん種々雑多、共通して言えるのは『危ない』人々で溢れかえっている道を通らなければならなかった。恐らく途中で音と気…

『並行』(5)―本当にバカなのは誰だ?

気を失った下北は、私の前で眠っている。と言うか、死亡状態に近いものがあるように力が抜けていた。それは息をしているかどうか、顔に手を近づけて確認してみたくなるほど。実際にそうしてみたら呼吸の感触はあり、私はある意味で安堵した。 そう。『ある』…

『並行』(4)―本当にバカなのは誰だ?

「うわ、やばっ」 これが私の正直な気持ちだった。別に下北と付き合うつもりなんて一切合切なかったし、周りにはやし立てられた下北は癖のある黒い短髪を掻いて、「いや、そんなことない・・・いや、ありますね、ねえ、上野さん」とただ連発するのだった。 …

『並行』 TALKING IN MY HEAD【逆西南恩寵祭】

私は、西南学院大学神学部神学科キリスト教人文学コース、というやたらめったら長い名前の学校を出ています。 自分、発達障害×精神障害者なのですがね。汗 只今私ヤマトユキが書いております、小説『並行』。 これについてのこぼれ話が、関係して来るのです…

『並行』(3)―本当にバカなのは誰だ?

結局、教授の言う事には私も従った。「げっ」が「うっ」に変わり、最終的に「はっ」に帰結したのだ。つまり、嫌悪が困惑に変わり、最終的に溜息へ帰結したのだ。 他のゼミ生四人は、私の考えることを知る由もなく、和気あいあい。先程あれだけ険悪な雰囲気を…

『並行』(2)―本当にバカなのは誰だ?

他のゼミ生で、あとひとり今日発言をした学生が居た。別田渡、私達と同じく哲学科の四年生で、H大学大学院哲学専攻科を志望する、とにかく大きい男。 大きいのは志望先だけでなく、態度もそうだし、体格も同じで、顔すらひとつひとつうるさい程パーツが大き…

『並行』(1)―本当にバカなのは誰だ?

皆バカだろ、と思う。 私以外は、全員そうだ。 そういうスタンスで、生きている。 H学院大学学術研究所五百四号室にて、私はそう思いながら、他のゼミ生四人を壇上から見下ろしていた。左隣のパイプ椅子には担当教授の外部が座り、私を観察している。椅子に…

『並行』 TALKING IN MY HEAD【準備完了!!】

皆さんこんにちは! 小説の題材とキャラクターと設定が揃ったので、書き殴りでこのブログに上げていきたいと思います! それが、私の一番の生きる意味であり、楽しみですね。 基本、 小説(草稿)をアップ→それに関するtalking in my headを不定期に書く→ま…

JUXT-A-POSITION no.6 障害者竜巻爆裂生産決定

では、このブログの本題、小説の組み立ての話をしたいと思います。 前回の記憶が時間の経過と共に全壊している為(おいおい)、ちょっと設定が歪んでしまいました。 でも、組み立てるにあたって、私は少しインターバルを置くことは大切だと思っています! で…

JUXT-A-POSITION no.5 迷作⇔名作⇔盗作⇔倒錯

現実味が創作方法を捜索する際に求められると思います。 私は主にそれを、手持ちの文学作品で手に入れるのです。 「名作は盗みから生まれる」 (高田純次 『適当教典』河出書房文庫 より) ネットも調べものに使うと言えば使うのですが、出所のはっきりした…

JUXT-A-POSITION no.4 うっ、そう!!

さて、昨日はキャラクターを7~8人と設定しました。 その一人一人を、自己流の性質項目に当てはめて形作っていきもします。 項目について、どんなものだか皆さん興味があるでしょうね。 すみません、ここはヤマトユキ創作秘密です! でも、検索すれば、参考…

JUXT-A-POSITION no.3 したくてたまらない

友達が、 「知られたくないことは話さなければいいのに」 と至極真っ当な論を展開していたことがあります。 ですから、私の登場人物設定極意だけは話せません。 個人秘密です。 と言うのも、私は勝手かつ奔放かつ無責任な独自のやり方で文学界に反骨している…

JUXT-A-POSITION no.2 文学復讐逆襲論

次は登場人物の数を設定するのが、私の手段ですね。 私は15作くらい小説を書いているのですが、 小説の枚数が ・50枚以下→2~3人 ・100枚以下→5~6人 ・それ以上→7人~10人 と自己ルールを決めています。 でないと、訳が解らなくなって話と私の頭がこんがら…

JUXT-A-POSITION no.1 枚数決定独白会議

小説。 枚数(『400字詰め原稿用紙で○○○枚』という、アレです)によって、応募できる文学賞が変わってきます。 色々なサイトがその情報を提供されているので、 『文学賞応募 今年 枚数』 などのキーワードで検索されると良いと思います。 文学賞を受賞したこ…

JUXT-A-POSITION no.0 超我流小説組立式

Juxtaposition=並列 このことばをテーマに、小説を組み立てて行こうと思います。 私は小説を書くとき、イメージ曲かアルバムを決めるのです。 今回のそれは、GRAPEVINEの『juxtaposed』と言う曲。 アルバム『From a smalltown』の最後に収録されています。 …